腐心の的中。
エピファネイアは気負っていたが、天皇賞を同様の気配で負けており、ここで落ち着いていては気落ちしていることになるので悪くなかった。天皇賞でも春より状態は良かったように見えたが、キレ比べは向かず、ここで鬱憤を晴らしたかたち。ペースが落ちず持久戦になったので完勝だった。
瞬発力勝負になれば他路線のハープスターが上位と考え、2頭の単勝を厚めに、ワンアンドオンリーも押さえで買った。
馬場がトリッキーで、9Rまでは内を避けて中が伸びている印象だったが、10Rで蛯名が内の奇襲を決めて意外と内が伸びることが判明した。結果的に内がやはり伸びていて、ジャパンカップでも内めを選択する騎手が多かったが、事前に進路は読めないのでより難解になった。
パドックで良かったのはジャスタウェイ、エピファネイア、ハープスターの3頭。
ジャスタウェイは程よい気合乗りだったが、やや距離が長く、かつ距離短縮のほうがコントロールしやすいタイプなので押さえまでとしたが、ここで2着に来るのは基礎能力の違いか。
ハープスターは落ち着いた好気配。この距離で持久戦になれば体力不足なので仕方のない結果。
ワンアンドオンリーは大敗した菊花賞も含め前2走がすさまじい覇気を見せていたのに比べ、静かだった。出来が悪いようには見えず、パドック気配が位相によることをよく表している。
上がりに限界があるので行かないと厳しかったが、近走が長距離の後方ばかりで、ちょっと酷な要求だった。ハープスターと併せて外を通ったが、外は芝が柔らかく、伸びないので無理。まあ、内もごちゃついていたので難しいところだが、着順ほど負けていない。まだやれる馬だと思う。
イスラボニータはダービー、天皇賞とストレスの残る負け方をした対象馬に囲まれて辛く、条件面でも酷だった。
ジェンティルドンナは歴戦の疲れがある中で仕方ない。
2014年11月30日日曜日
2014年11月13日木曜日
奥多摩ステークス
マンボネフューで今年最大の勝負をしたが、ハナ差及ばず負けた。
単式しか買っていないので完敗。
http://db.netkeiba.com/race/201405050210/
最大とはいえ資金配分の結果で、この8倍で勝負しないようではトータルで勝てないと思うが、写真判定は心臓に悪い。
勝負は一度限り決定的なものだが、収支計算上は巡り合わせに過ぎない。とはいえ、レースを見るときにはそんな建前はいつも吹っ飛んでしまう。
勝ち馬を探究する。
2014年11月8日土曜日
【疲労】トップクラスにおけるミドルスパンのローテーション分析の重要性
秋華賞、菊花賞、天皇賞と続けざまに近走で条件戦を勝ち上がってきた馬が制した。
鮮度が高い馬が走るのはセオリーどおりで、むしろ前哨戦接戦後に走っていることが応用的だと感じる。純粋な他路線のほうが明快で買い易いし、条件戦では同一条件好走後は疑うのが定石であるから、G1ゆえの特異さが際立っている。
通常、同一条件好走は能力の上限に近ければ疲れるし、人気になるので疑って精査するほうが有益である。日々それで稼いでいるので、なかばフェティッシュ化してしまい、うっかりするとG1の読み方を忘れる。実際、いずれも勝負レースにしていないが、終わってみればなるほどなという内容だった。
一般に昇級戦好走後が買われるのは、慣れが期待されるからであろうが、闘争心の面では飽きが懸念される。この3戦が示すのは、1走限りの接戦であれば飽きないという事実で、トップクラスの分析においては通常よりも広いスパンでの評価決定が必要ということだろう。
ただし、いずれも馬場が軽いため疲労が顕在化しにくく、なおかつ体力型の実績馬が走れない条件ではあった。
最近はパドックを重視しているが、そうすると良く見せる馬が多いG1は尚のこと難解になるが、翻って上級条件ほど馬場や枠といった記号的な世界に忠実であるようにも思えてくる。もう少し整理したい。
鮮度が高い馬が走るのはセオリーどおりで、むしろ前哨戦接戦後に走っていることが応用的だと感じる。純粋な他路線のほうが明快で買い易いし、条件戦では同一条件好走後は疑うのが定石であるから、G1ゆえの特異さが際立っている。
通常、同一条件好走は能力の上限に近ければ疲れるし、人気になるので疑って精査するほうが有益である。日々それで稼いでいるので、なかばフェティッシュ化してしまい、うっかりするとG1の読み方を忘れる。実際、いずれも勝負レースにしていないが、終わってみればなるほどなという内容だった。
一般に昇級戦好走後が買われるのは、慣れが期待されるからであろうが、闘争心の面では飽きが懸念される。この3戦が示すのは、1走限りの接戦であれば飽きないという事実で、トップクラスの分析においては通常よりも広いスパンでの評価決定が必要ということだろう。
ただし、いずれも馬場が軽いため疲労が顕在化しにくく、なおかつ体力型の実績馬が走れない条件ではあった。
最近はパドックを重視しているが、そうすると良く見せる馬が多いG1は尚のこと難解になるが、翻って上級条件ほど馬場や枠といった記号的な世界に忠実であるようにも思えてくる。もう少し整理したい。
2014年10月26日日曜日
【パドック】パドックの使い方
私はパドックを重視するが、馬体を見る技術は持っていない。単に気配を見ている。
馬主や遊牧民と異なり、我々が必要としているのは当のレースで走る馬を知ることで、素質や将来性について見識は必要ないばかりか時には判断を誤らせる有害情報ともなり得るだろう。草原で育てば生きていくために相馬眼が身に付くが、ウインズで育った者にはモニターで気配を察知する眼が養われるのだ。
ここでいう気配とは、仕草が醸し出す雰囲気のことで、イレ込んでいたり、チャカチャカうるさい馬、闘志がなくうな垂れているような馬はよくない。程よく気合があり、落ち着いて歩いているとよい。
紙面から読み解く予想は、どこまでいっても推論に過ぎないが、パドックは現に表象されているのであるから留保の余地はない。主観的な判断に思われるかもしれないが、過去との比較を行えば、説明は容易だ。いまやレーシングビュアーがあれば、過去のパドック映像をすぐに参照することができるのだから、好走時との比較検討がさほど労せずとも可能となっている。タテの比較が重要であることは古くから説かれている先達の教えで、競馬は記憶のスポーツと評されていたが、記憶はもはや重要ではなく、レファレンス能力こそが求められている。
たとえば秋華賞のパドックにおけるレッドリヴェールと桜花賞のそれを比較すれば、気合の乗り方が別馬のようだった。騎手は積極策で乗りたい旨の発言を行っていたが、馬にその気がなければ実現できない。仮に巧く乗ったとしても闘争心を欠いていれば勝つことは難しい。単勝で凌いでいくのであれば、パドックで例外は認めるべきではない。ときに裏切られる場合もあるだろうが、馬は概ね正直である。
ただ、パドックは単純に走る気の有無を表現しており、買う馬を探すのではなく、勝負すべきか否かを判断する場である。走る気があっても条件が合わなければ仕様がない。
神戸新聞杯のワンアンドオンリーは稀にみる好気配で、他を圧倒する雰囲気があった。直線で見せた勝負根性もまさに王者の風格である。とはいえ、坂のある阪神で持久戦に持ち込んでのパフォーマンスであるから、同じ気配を見せていても、平坦コースでスローペースになれば疑う余地はある。事前に条件が合う馬に目星を付けて、パドックで走る気配であったら勝負する。これを守ることが肝要となる。
パドックから意外な狙いが出てくる場合もある。
10月5日の兵庫特別は菊花賞出走の可能性から3歳馬2頭が人気を集めていた。2番人気のメイクアップは追い込み好走後の距離延長となり難しいローテーションであったため、人気が分散されていれば1番人気のコルサーレを買ってもいいと考えていたが、パドックを見ると盛大にイレ込んでいた。これで距離延長の外枠では折り合いが難しい。5番人気の5歳馬ユキノサムライがパドック、条件ともに良かったのでこの馬から勝負したが、2頭に人気が集中していたため単勝12.8倍の好配当を得られた。
また、考えに確証を得ることもある。
オールカマーのサトノノブレスはパワー型のディープインパクト産駒で、短縮好走後は反動が出やすい。しかも休み明けの後だったので、危うい人気馬と考えていたが、パドックではイライラした仕草を見せての周回で、怖くない人気馬となった。2番人気のマイネルラクリマはパドック、条件とも良く、7.2倍も付いた。
調教時計や馬体重と異なり、パドックはレース前に直接、体調を知ることのできる指標である。また、体調が良くても走る気がなければ勝つことは難しく、場合によっては調教よりも重要な情報となりうる。それにしてはオッズに反映される度合いは低く、扱うメリットはきわめて大きい。
馬主や遊牧民と異なり、我々が必要としているのは当のレースで走る馬を知ることで、素質や将来性について見識は必要ないばかりか時には判断を誤らせる有害情報ともなり得るだろう。草原で育てば生きていくために相馬眼が身に付くが、ウインズで育った者にはモニターで気配を察知する眼が養われるのだ。
ここでいう気配とは、仕草が醸し出す雰囲気のことで、イレ込んでいたり、チャカチャカうるさい馬、闘志がなくうな垂れているような馬はよくない。程よく気合があり、落ち着いて歩いているとよい。
紙面から読み解く予想は、どこまでいっても推論に過ぎないが、パドックは現に表象されているのであるから留保の余地はない。主観的な判断に思われるかもしれないが、過去との比較を行えば、説明は容易だ。いまやレーシングビュアーがあれば、過去のパドック映像をすぐに参照することができるのだから、好走時との比較検討がさほど労せずとも可能となっている。タテの比較が重要であることは古くから説かれている先達の教えで、競馬は記憶のスポーツと評されていたが、記憶はもはや重要ではなく、レファレンス能力こそが求められている。
たとえば秋華賞のパドックにおけるレッドリヴェールと桜花賞のそれを比較すれば、気合の乗り方が別馬のようだった。騎手は積極策で乗りたい旨の発言を行っていたが、馬にその気がなければ実現できない。仮に巧く乗ったとしても闘争心を欠いていれば勝つことは難しい。単勝で凌いでいくのであれば、パドックで例外は認めるべきではない。ときに裏切られる場合もあるだろうが、馬は概ね正直である。
ただ、パドックは単純に走る気の有無を表現しており、買う馬を探すのではなく、勝負すべきか否かを判断する場である。走る気があっても条件が合わなければ仕様がない。
神戸新聞杯のワンアンドオンリーは稀にみる好気配で、他を圧倒する雰囲気があった。直線で見せた勝負根性もまさに王者の風格である。とはいえ、坂のある阪神で持久戦に持ち込んでのパフォーマンスであるから、同じ気配を見せていても、平坦コースでスローペースになれば疑う余地はある。事前に条件が合う馬に目星を付けて、パドックで走る気配であったら勝負する。これを守ることが肝要となる。
パドックから意外な狙いが出てくる場合もある。
10月5日の兵庫特別は菊花賞出走の可能性から3歳馬2頭が人気を集めていた。2番人気のメイクアップは追い込み好走後の距離延長となり難しいローテーションであったため、人気が分散されていれば1番人気のコルサーレを買ってもいいと考えていたが、パドックを見ると盛大にイレ込んでいた。これで距離延長の外枠では折り合いが難しい。5番人気の5歳馬ユキノサムライがパドック、条件ともに良かったのでこの馬から勝負したが、2頭に人気が集中していたため単勝12.8倍の好配当を得られた。
また、考えに確証を得ることもある。
オールカマーのサトノノブレスはパワー型のディープインパクト産駒で、短縮好走後は反動が出やすい。しかも休み明けの後だったので、危うい人気馬と考えていたが、パドックではイライラした仕草を見せての周回で、怖くない人気馬となった。2番人気のマイネルラクリマはパドック、条件とも良く、7.2倍も付いた。
調教時計や馬体重と異なり、パドックはレース前に直接、体調を知ることのできる指標である。また、体調が良くても走る気がなければ勝つことは難しく、場合によっては調教よりも重要な情報となりうる。それにしてはオッズに反映される度合いは低く、扱うメリットはきわめて大きい。
2014年10月6日月曜日
凱旋門賞回顧
ゴールドシップは仮に先行したとしてもキレ負けしていたとは思うが、外回すと物理的に間に合わない馬場でポツンとは。
各方面で叩かれてるはずなので、むしろ横山典には信念を貫いて欲しい。日本で怠慢に感じたことはなくて、実際調子や状況みて判断してる。好騎乗の印象のほうが大きい人。先行馬なら先行してたはずで、終わってみれば馬との組み合わせで適性がなかった。まあ、ロンシャンでズブいとなると先が思いやられるけども。
混戦の下馬評どおり、上位人気にそれぞれウィークポイントがあって、疲れてないTreveが仕上がってたということか。
しかし、20頭立ての内伸び馬場でポジション取りに行くのは騎手も緊張感が凄く、改めて重みを感じた。
各方面で叩かれてるはずなので、むしろ横山典には信念を貫いて欲しい。日本で怠慢に感じたことはなくて、実際調子や状況みて判断してる。好騎乗の印象のほうが大きい人。先行馬なら先行してたはずで、終わってみれば馬との組み合わせで適性がなかった。まあ、ロンシャンでズブいとなると先が思いやられるけども。
混戦の下馬評どおり、上位人気にそれぞれウィークポイントがあって、疲れてないTreveが仕上がってたということか。
しかし、20頭立ての内伸び馬場でポジション取りに行くのは騎手も緊張感が凄く、改めて重みを感じた。
2014年10月4日土曜日
凱旋門賞
Taghroodaの前走2着はフケで度外視という扱いのようだが、直線でかなり長い距離を併せて負けてる。相手のTapestryが出てくるのはストレスになるだろう。
2014 Darley Yorkshire Oaks - Tapestry - Racing UK
https://www.youtube.com/watch?v=k_Q-Ybkgc2c
Avenir Certainは良さそう。初距離だがスタミナありそうだし、最内引いたので上手く運べれば距離損はない。
Avenir Certain - Prix de Diane Longines - Chantilly - 15/06/14
https://www.youtube.com/watch?v=lGi7RLOOhIg
Ectotはニエル賞のレベルが低かったようだし、長期休養開けの同コース勝ちから相手強化というのはあまり良いローテーションでないと思う。(日本競馬の感覚だが)
ニエル賞馬は昔かなり勝っているが2006年のRail Link以降は最高で3着。近年は良いステップでなくなっている。
Treveは昨年の覇者というだけで、巻き返す理由に乏しい。
ハープスターはスタミナ不足だと思う。ディープインパクト産駒がこの条件で勝つとは考えられない。
ジャスタウェイはこなせない距離ではないが、直近の実戦がマイルなのは酷。
ゴールドシップの札幌記念追い込みというのは距離、間隔とも良いステップだろう。キレ負けするのが懸念なので、ハイペースで流れて前めの競馬が出来ればベスト。
ゴールドシップは金銭抜きに好きな馬なので、心情的に期待している。ぶもおおおおおおおおおおおおお。相手筆頭はAvenir Certain。
20頭もいて内が良い馬場となるとかなりごちゃつきそう。何より無事な好レースを祈念する。
2014 Darley Yorkshire Oaks - Tapestry - Racing UK
https://www.youtube.com/watch?v=k_Q-Ybkgc2c
Avenir Certainは良さそう。初距離だがスタミナありそうだし、最内引いたので上手く運べれば距離損はない。
Avenir Certain - Prix de Diane Longines - Chantilly - 15/06/14
https://www.youtube.com/watch?v=lGi7RLOOhIg
Ectotはニエル賞のレベルが低かったようだし、長期休養開けの同コース勝ちから相手強化というのはあまり良いローテーションでないと思う。(日本競馬の感覚だが)
ニエル賞馬は昔かなり勝っているが2006年のRail Link以降は最高で3着。近年は良いステップでなくなっている。
Treveは昨年の覇者というだけで、巻き返す理由に乏しい。
ハープスターはスタミナ不足だと思う。ディープインパクト産駒がこの条件で勝つとは考えられない。
ジャスタウェイはこなせない距離ではないが、直近の実戦がマイルなのは酷。
ゴールドシップの札幌記念追い込みというのは距離、間隔とも良いステップだろう。キレ負けするのが懸念なので、ハイペースで流れて前めの競馬が出来ればベスト。
ゴールドシップは金銭抜きに好きな馬なので、心情的に期待している。ぶもおおおおおおおおおおおおお。相手筆頭はAvenir Certain。
20頭もいて内が良い馬場となるとかなりごちゃつきそう。何より無事な好レースを祈念する。
2014年8月4日月曜日
《夏の体重》
夏負けが気になる頃合いだが、絞れ易い時期なので、馬体が減って走る馬も目立ってきた。見極めが重要だ。
アイビスサマーダッシュのセイコーライコウはしばらく平衡を保っていた馬体重が急に-12キロとなって、状態が気になるところだった。ポイントは中間の調教で、中5週で7本追っているため、絞ってきたと捉えるのが正解だったようだ。
昨年9月に同じ体重で連対歴があり、パドックで覇気を欠くようなこともなかった。
ガレの場合は間隔の割に本数が少ないのに減ってきて、パドックで見栄えがしない場合が該当する。ただし、休養明けに外厩で追っている場合は本数だけでは判断できないため、パドックを見るまでに早計な判断は出来ない。連対時の体重も判断材料だが、下のクラスではあてにならないケースも多い。
逆のパターンで、先週の福島テレビオープンに出てきたレッドレイヴンは函館帰りの中2週で再度遠征、中間も4本時計を出しているのに+10キロというのはこの時期だと明らかにおかしい。走るほうに気が向いていないと考えるのが妥当だ。結果、1倍台の人気ながら、行き脚が付かず3着に敗れた。
今週から開催が変わり、芝は3場とも高速傾向なため、難解なレースが続いた。個人的にはダート中心で稼げるときに稼ぐスタンスでいつも以上にレースを選んでいきたいと思う。二重課税のない美しい国で。
アイビスサマーダッシュのセイコーライコウはしばらく平衡を保っていた馬体重が急に-12キロとなって、状態が気になるところだった。ポイントは中間の調教で、中5週で7本追っているため、絞ってきたと捉えるのが正解だったようだ。
昨年9月に同じ体重で連対歴があり、パドックで覇気を欠くようなこともなかった。
ガレの場合は間隔の割に本数が少ないのに減ってきて、パドックで見栄えがしない場合が該当する。ただし、休養明けに外厩で追っている場合は本数だけでは判断できないため、パドックを見るまでに早計な判断は出来ない。連対時の体重も判断材料だが、下のクラスではあてにならないケースも多い。
逆のパターンで、先週の福島テレビオープンに出てきたレッドレイヴンは函館帰りの中2週で再度遠征、中間も4本時計を出しているのに+10キロというのはこの時期だと明らかにおかしい。走るほうに気が向いていないと考えるのが妥当だ。結果、1倍台の人気ながら、行き脚が付かず3着に敗れた。
今週から開催が変わり、芝は3場とも高速傾向なため、難解なレースが続いた。個人的にはダート中心で稼げるときに稼ぐスタンスでいつも以上にレースを選んでいきたいと思う。二重課税のない美しい国で。
2014年7月27日日曜日
【疲労】競走馬の疲労
疲労は競走馬の心身に蓄積される。身体の疲労は生理学的現象であり、休養によって通常は回復するが、精神の疲労はレースの記憶に基づいており、身体の状態如何に係らず影響を及ぼす。”見えない疲労”なるジャーゴンがあるように、調教などで問題がなさそうであっても、レースにおいてそれは露見するのだ。
心的疲労のある馬は闘争心が減退しており、スタートで遅れる、行き脚が鈍る、馬群に怯み不利を受ける、競って置かれる等々によって実力を発揮することができない。
レースがハードであるほど心的疲労の影響は出やすく、逆に高速馬場や広いコースなどで他馬を意識する度合いが低い場合はその影響を免れることができる。
以下、疲労が蓄積する過程について、短期・中期・長期の3つの視点から概説する。
なお、本稿の内容は今井雅弘氏の理論を参考に記述している。より詳しく知りたい方は今井氏の著作をあたってもらいたい。
短期の疲労は、主に一回のレース内容により出現するものである。
疲労の影響は馬が目一杯走った後に現れ易い。従って、レースのレベルが高い上級条件ほど大きく、負荷の高い内容で好走した馬ほど強い。逆に楽勝や惨敗の場合、疲労の影響は通常出にくい。また、昇級や路線変更によって対戦する馬が一新する場合、闘争心の減衰が起こりにくいため、心的疲労の影響は少なくなる。よって、同一路線で直近のレースを接戦している馬ほど影響は大きい。
具体的には下記のようなパターンを挙げることができる。
a)激走後
距離変更や位置取り変更等の効果で激走した後。
b)接戦後
全力で走っていることが多いため。特に後方から差しているほど疲れる。上がりで速い脚(概ね3F34秒台前半以下)を使っているとなお厳しい。
c)好時計勝ちやハイペース好走後
速いラップを自力で刻んで好走した場合。
例として今年の宝塚記念をあげると、メイショウマンボは前走のヴィクトリアマイルを上がり33.5で差して0.1差接戦後。距離延長等の要因もあるが、心的疲労がきつい状態だった。(結果、4番人気11着)
http://race.netkeiba.com/?pid=race&id=c201409030811&mode=result
中期の疲労は使い込んで好走を続けている場合に現れる。上級条件ほど影響は大きく、ダートより芝で顕著となる。
宝塚記念ではウインバリアシオンが該当する。接戦差し後でもあるが、休養明けの昨冬から好走を続けているなかでのG1接戦というのは堪える。(2番人気7着)
宝塚や有馬のような、多くの馬が使い込んでいる状況では、休養明けからの消化レース数、レース内容による疲労の度合いが勝負を分ける重要な鍵となる。
長期の疲労は生涯のレース消化数、特に同じ路線でのレース数により蓄積する。馬は牡牝ともに序列を決めるために戦うのであり、同じメンバーと対戦を繰り返すことで戦う動機が徐々に失われていくのだ。高齢になってダートや新味のある距離へ転戦して復活する馬が出る裏にはこうした理由がある。
宝塚記念のジェンティルドンナは柔らかい馬場が苦手なため、条件的にそもそも辛かったが、同様な条件であった昨年の同レースは3着に踏ん張ったのに対し、今年はあまりやる気を見せず大敗を喫している。(3番人気9着) これは経験に基づく賢さともいえるが、長期的疲労による影響と見做せる。
生涯の戦績推移にはいくつかのパターンがあり、条件が揃えば衰えを感じさせないタイプもいるが、概して好走の要件は厳しくなっていく。ゴールドシップは初の宝塚記念連覇となったそうだが、55回の歴史があるレースでこれまで連覇がなかったというのは、長期的疲労の厳しさを証明するものといえるだろう。
疲労に対する耐性は当然ながら個別に検討する必要がある。生得的な逞しさ、状態(悪い状態で好走すれば反動が出るし、心身の充実期にあれば疲労からの回復は早い)、施行条件等に拠る。
心的疲労のある馬は闘争心が減退しており、スタートで遅れる、行き脚が鈍る、馬群に怯み不利を受ける、競って置かれる等々によって実力を発揮することができない。
レースがハードであるほど心的疲労の影響は出やすく、逆に高速馬場や広いコースなどで他馬を意識する度合いが低い場合はその影響を免れることができる。
以下、疲労が蓄積する過程について、短期・中期・長期の3つの視点から概説する。
なお、本稿の内容は今井雅弘氏の理論を参考に記述している。より詳しく知りたい方は今井氏の著作をあたってもらいたい。
短期の疲労は、主に一回のレース内容により出現するものである。
疲労の影響は馬が目一杯走った後に現れ易い。従って、レースのレベルが高い上級条件ほど大きく、負荷の高い内容で好走した馬ほど強い。逆に楽勝や惨敗の場合、疲労の影響は通常出にくい。また、昇級や路線変更によって対戦する馬が一新する場合、闘争心の減衰が起こりにくいため、心的疲労の影響は少なくなる。よって、同一路線で直近のレースを接戦している馬ほど影響は大きい。
具体的には下記のようなパターンを挙げることができる。
a)激走後
距離変更や位置取り変更等の効果で激走した後。
b)接戦後
全力で走っていることが多いため。特に後方から差しているほど疲れる。上がりで速い脚(概ね3F34秒台前半以下)を使っているとなお厳しい。
c)好時計勝ちやハイペース好走後
速いラップを自力で刻んで好走した場合。
例として今年の宝塚記念をあげると、メイショウマンボは前走のヴィクトリアマイルを上がり33.5で差して0.1差接戦後。距離延長等の要因もあるが、心的疲労がきつい状態だった。(結果、4番人気11着)
http://race.netkeiba.com/?pid=race&id=c201409030811&mode=result
中期の疲労は使い込んで好走を続けている場合に現れる。上級条件ほど影響は大きく、ダートより芝で顕著となる。
宝塚記念ではウインバリアシオンが該当する。接戦差し後でもあるが、休養明けの昨冬から好走を続けているなかでのG1接戦というのは堪える。(2番人気7着)
宝塚や有馬のような、多くの馬が使い込んでいる状況では、休養明けからの消化レース数、レース内容による疲労の度合いが勝負を分ける重要な鍵となる。
長期の疲労は生涯のレース消化数、特に同じ路線でのレース数により蓄積する。馬は牡牝ともに序列を決めるために戦うのであり、同じメンバーと対戦を繰り返すことで戦う動機が徐々に失われていくのだ。高齢になってダートや新味のある距離へ転戦して復活する馬が出る裏にはこうした理由がある。
宝塚記念のジェンティルドンナは柔らかい馬場が苦手なため、条件的にそもそも辛かったが、同様な条件であった昨年の同レースは3着に踏ん張ったのに対し、今年はあまりやる気を見せず大敗を喫している。(3番人気9着) これは経験に基づく賢さともいえるが、長期的疲労による影響と見做せる。
生涯の戦績推移にはいくつかのパターンがあり、条件が揃えば衰えを感じさせないタイプもいるが、概して好走の要件は厳しくなっていく。ゴールドシップは初の宝塚記念連覇となったそうだが、55回の歴史があるレースでこれまで連覇がなかったというのは、長期的疲労の厳しさを証明するものといえるだろう。
疲労に対する耐性は当然ながら個別に検討する必要がある。生得的な逞しさ、状態(悪い状態で好走すれば反動が出るし、心身の充実期にあれば疲労からの回復は早い)、施行条件等に拠る。
2014年7月6日日曜日
【疲労】疲労概念の意義
今井雅弘の理論において、最も重要かつ有益な概念は疲労である。競馬予想には多種多様な方法があるが、疲労を考慮するものはいまだに稀だ。たとえば、先日の宝塚記念でウインバリアシオンやメイショウマンボは疲労面からかなりリスクの高い選択肢だったが、オッズが示す限りでは多くの人々がそれを厭うことなく勝負しているように見受けられる。
疲労の読み方を知っていれば、その影響が極めて重要であることは明らかに思えるが、それが人々に気づかれずに済まされているのは何故か。
そもそも、競馬予想は各馬が計量比較可能であるという幻想に基づいて遂行される。レースは分離不可能な全体であり、いわば出来事であるが、それが着順として登録されることにより、各馬は計算されるべき対象となる。観察により引き出された諸要素は数値化され、それぞれの馬に振り替えられる。馬場、コース、距離、走破時計、枠順、展開…等々。そのような思考にとって、疲労は自らの存立を脅かす危険な概念といえる。たとえば枠順の有利不利、コースの得手不得手は計算可能な範疇であり、加点ないし減点することにより予想へと反映されるが、疲労の影響を受けた馬は潜在能力(そんなものがあるとして)に関わらず競走に参加しないため、計量比較自体を無意味なものにするからである。
従って、前者のような諸要素が公然と議論される一方、疲労について、少なくともレース前に指摘することはなかばタブーとなる。また、敗因としての疲労は過小評価されるか何かほかの要因に取って代わられるのが常である。宝塚記念では、レース後、馬場状態や展開が敗因として盛んに語られている。馬場が悪くなかったとして、上記の2頭が馬券になるほど順位を上げていたかは疑わしいのだが。
多くの予想法は疲労概念を否認せざるを得ない構造を持っているが、それは言語一般になじみ深い様式でもあるため、強固なものとなっている。それゆえ、疲労を知ることは我々の利益の源泉であり、決定論的な思考が捉え損ねる生成するレースのダイナミズムを認知するための重要な鍵となるのである。
では具体的に疲労の概念とはどういったものか。稿を改めて詳述する。
疲労の読み方を知っていれば、その影響が極めて重要であることは明らかに思えるが、それが人々に気づかれずに済まされているのは何故か。
そもそも、競馬予想は各馬が計量比較可能であるという幻想に基づいて遂行される。レースは分離不可能な全体であり、いわば出来事であるが、それが着順として登録されることにより、各馬は計算されるべき対象となる。観察により引き出された諸要素は数値化され、それぞれの馬に振り替えられる。馬場、コース、距離、走破時計、枠順、展開…等々。そのような思考にとって、疲労は自らの存立を脅かす危険な概念といえる。たとえば枠順の有利不利、コースの得手不得手は計算可能な範疇であり、加点ないし減点することにより予想へと反映されるが、疲労の影響を受けた馬は潜在能力(そんなものがあるとして)に関わらず競走に参加しないため、計量比較自体を無意味なものにするからである。
従って、前者のような諸要素が公然と議論される一方、疲労について、少なくともレース前に指摘することはなかばタブーとなる。また、敗因としての疲労は過小評価されるか何かほかの要因に取って代わられるのが常である。宝塚記念では、レース後、馬場状態や展開が敗因として盛んに語られている。馬場が悪くなかったとして、上記の2頭が馬券になるほど順位を上げていたかは疑わしいのだが。
多くの予想法は疲労概念を否認せざるを得ない構造を持っているが、それは言語一般になじみ深い様式でもあるため、強固なものとなっている。それゆえ、疲労を知ることは我々の利益の源泉であり、決定論的な思考が捉え損ねる生成するレースのダイナミズムを認知するための重要な鍵となるのである。
では具体的に疲労の概念とはどういったものか。稿を改めて詳述する。
2014年6月29日日曜日
【闘争本能と序列意識】ワンアンドオンリーのダービー
競馬は馬の闘争本能を利して行われる。野生の馬は序列意識に基づき秩序立った群れを形成するが、そこに至るまでには馬同士の闘争がある。最も強い馬がボスとなり、序列に従った一群が形成される。
競走馬はレースを勝つために馴致され、また実際のレースには多様な要素が関与するため、同じ馬同士の対決でも着順は度々入れ替わることも多い。しかしながら、闘争本能と序列意識は勝ち馬決定のプロセスにおいて、今なお重大な影響を及ぼしている。
中島国治は『血とコンプレックス』(KKベストセラーズ)[AA]において、競馬で闘争心を持つ馬は2パターンしかいないといっている。つまり、1.イニシアティブ・ホースと2.チャレンジホースである。
1.イニシアティブ・ホースとは、レースに勝ってプライドを持っている馬を指す。
2.チャレンジホースは、闘争本能を欠如させるコンプレックを持っていない馬、少なくともコンプレックの対象となる他馬がそのレースに1頭も出走していない馬。また、前走で着順が下位であっても、差を詰めてゴールまでスピードの落ちなかった馬を指す。
他馬へのコンプレックスは以下のようなケースで生じる。
a.直線において競り負けた場合
b.直線において強烈に脇を抜き去られた場合
c.直線において前の馬を追ったが、逆に差が開いてしまった場合
d.4コーナーから決勝点までの間に危害を加えられた場合
また、コンプレックスにはほかに、血のコンプレックス、競馬場へのコンプレックスなどがある。
血のコンプレックスは中島の配合論と関わりがあり、非常に煩雑で議論も多いところであるため割愛する。ただ、競争能力に関係なく、強い相手にはあっさりと勝ちを譲る馬や、競り合うと怯むタイプの馬が生得的に有する底力のなさが想定される。
競馬場へのコンプレックスは競走中の骨折や転倒などのアクシデントにより生じる。
他馬へのコンプレックスを補足しておくと、とりわけ、全力で走って負けた場合に考慮すべきだ。というのも、本調子でない状態での敗戦や、苦手な条件等でレースを投げた場合、次走で巻き返してくる馬も多いからである。
ワンアンドオンリーが勝った今年のダービーは、以下のような人気順であった。
1番人気 2.7倍 13 イスラボニータ
2番人気 3.9倍 5 トゥザワールド
3番人気 5.6倍 2 ワンアンドオンリー
http://db.netkeiba.com/race/201405021210/
3頭はいずれも前走で皐月賞に出走しており、1、2、4着に入選。人気は着順どおりの順番となっていた。
皐月賞は馬場状態が良好で、先行有利の条件で開催された。外枠を引いたトゥザワールドは距離損を嫌って積極的に前に取り付き逃げ込みを図ったものの、好意内を進んだイスラボニータが鮮やかに抜き去り、1 1/4馬身差の快勝。出脚が遅いワンアンドオンリーは最後方からの競馬で、上がり最速を繰り出して差を詰めたが、及ばずの4着だった。
このレース内容から、イスラボニータは中島のいうところのイニシアティブ・ホース、ワンアンドオンリーはチャレンジホース、トゥザワールドはイスラボニータに対してコンプレックスを持った馬ということになる。
ダービーも良い馬場状態で先行有利。ただ距離が延びる分、イスラボニータは体力が懸念される一戦だった。レースはワンアンドオンリーがそれまでの出脚の悪さから一変した好スタートを決め、正攻法で先行したイスラボニータをゴール手前で交わして優勝。トゥザワールドは5分のスタートを決めるも行き足が鈍く、後方に置かれて見せ場なく5着に敗れた。
ワンアンドオンリーの横山典は賞賛されるべき好騎乗であったが、トゥザワールドの川田がこのレースで叩かれるのは少しかわいそうだ。これまでの論考から、スタートや行き脚の良し悪しは事前に考察可能な範疇といえるだろう。騎手のアイデアは重要だが、それに応えることのできる馬がそれを実現するのだ。
トゥザワールドのレース後の陣営コメントが非常に示唆的である。
(Web上にあったクラブ会員向けコメントを転載)
6/1 池江厩舎血統面ではトゥザワールドはトゥザグローリーの全弟にあたる。トゥザグローリーはG2級では強い競馬をするので、G1でも幾度か人気になったが、最高が3着。良い成績を残せていない。キングカメハメハ×サンデーサイレンスというトレンド種牡馬同士の配合で、競争能力は高いが底の浅さを感じる。キングカメハメハ自体、トップクラスでもクラスに壁のある産駒が割と多い。
1日の東京競馬ではスタート後に行き脚がつかず中団後方の外を追走する。直線ではジリジリながらも前との差を詰めて来たが、最後はまわりと同じような脚色になり5着。
「ゲートは普通に出てくれましたからそのまま好位から運ぶことを考えていたのですが、いつもほど進んで行かずに思っていたより後ろからになってしまいました。元々、前走より溜める考えはありましたが、そうは言っても13番の後ろにつける形をイメージしていたのですが…。中間の動きはもちろん、今日の競馬前に跨がってからの雰囲気は悪くなかったですから状態云々ではないです。それだけにもっと前半にアクセルを踏んでいったほうが良かったのか…。今日は最初のコーナーの入り方がすべてです。上手く乗ることができず大変申し訳ありません」(川田騎手)
「前走は枠が枠だったので少し促して行かざるを得なかったものの、今日は内目の好枠でスタートは決まったと思いますし、いつものこの馬なら極端なアクションをしなくてもスーッと前に行けるはずが、全然行けませんでした。そうこうしてる間にどんどんと外の馬に前に入られて余計に下がってしまいましたし、全体の動きも影響して外に押し出されてしまいました。意識的にあの位置を狙っていたのならまだしも、それこそ好位から前に目標を置いて進めるという狙いが、早々に崩れてしまいました。勝ち馬と2着馬には少し離されてしまいましたから、こちらがスムーズにいって結果がどうだったかは何とも言えませんが、自分の形で競馬をできなかったのは事実ですし、残念です。そして、何よりもいい走りをして結果を出せず、会員の皆様に対して申し訳ない気持ちです。まだ競馬が終わった直後ですのですぐに今後の予定を立てられるわけではありませんが、まずは春の疲れをしっかり癒して、秋に向けてまた調整を開始していきたいと思います」(池江師)
皐月賞では結果的に勝ち馬に目標にされてしまいましたし、今回は好位につけながらも脚を溜めて終いにかける狙いだったのですが、スタート後は思っていた以上に勢いがつかず、後手に回ったことで厳しい戦いを強いられてしまいました。前走、そして今日の競馬と最良の結果を目指していただけに悔しさが増してしまいますが、血統的にはこれからの成長が期待できますし、先々の走り、結果に期待したいものです。
以上、今年のダービーをサンプルに競走馬の闘争本能と序列意識について論考を行った。
私は今井雅弘の理論をベースとした予想で15年ほど馬券購入を続け、近年は単勝を中心としたスタイルで利益を上げている。本ブログは、競走馬の闘争心を中心に論考を進め、馬券の精度を高めていくために編まれている。どうぞよろしく。
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